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Credit by Marcel Oosterwijk
車を売りたいと考えた時に、一括無料査定で申し込むのはとても便利ですが、反面営業がしつこくないかなど、様々な不安があると思います。あるいはキャンセルや減額でのトラブルなど、過去に多くのケースで報告された問題もあります。過去に報道されたようなトラブルは減少したと思いますが、事前に注意しておくことで、トラブルとなる原因を防ぐことが出来ます。
トラブルとなりやすい注意点は以下の通りです。
それぞれ見ていきましょう。
車検の残り分などの返還
車に乗り続ける限り、定期的に受けなければならないのが車検ですが、売却時点で車検が残っていれば、その分を買取金額に上乗せするのが通常です。車検の残りによっても金額は異なり、また車のグレードによってもことなります。
車検の残りが短い場合などは、車検を通してから査定してもらった方が良いのか気になると思いますが、査定時にアップする金額は車検時にかかった費用より低い事がほとんどなので、わざわざ車検を通す必要は無いといえます。
車検の他にリサイクル料が返還されます。自動車税については車検分に含めることが大半ですが、会社によっては別途上乗せすることもありますので、ご確認ください。
契約後の減額
提示された査定額に納得して契約したにも関わらず、後日に減額対象となる瑕疵が見つかったので減額してほしいと連絡を受ける場合があります。
瑕疵とは欠点となるもので、必要とされる性能を満たしていなかった場合などが瑕疵にあたります。事故歴があるにも関わらず説明をしないで売り渡した場合は瑕疵にあたります。車を売却する場合は、売却する側が販売者となり、購入する側が消費者となりますので、もし販売した商品に瑕疵があれば、その損害に対する責任を負わなければなりません(瑕疵担保責任)。
しかし、通常の商取引と異なり、知識の少ない者が、知識豊富な相手に売りますので、知識の差を利用した言いがかりをつけることが出来ます。瑕疵担保責任とは弱い消費者の立場を守るためにある法律ですが、これが悪用されてしまう恐れがあります。
結論からいうと、もし査定後に減額を言われても受け入れる必要は原則としてありません。査定のプロが判断した結果が査定額となります。通常注意していれば見つけられた瑕疵を発見できない場合は瑕疵担保責任にあたりませんので、減額に応じる必要はありません。もしどうしてもという事であれば、契約をキャンセルして他の会社に売却することをおすすめします。
参考→ 中古車売買で起こったトラブル
ただし事故車であることを隠していたり、メーター改ざんなど売却に有利となるような不正をしていた場合は瑕疵担保責任があります。稀に中古車を買ってその車を売却した場合に、実は事故車だったというケースがありますが、そのような場合には一度消費者相談センターに確認することをおすすめします。
契約後のキャンセル
熟慮の末に契約を結ぶのが通常ですが、スムーズな営業トークによって契約してしまった、後でキャンセル出来ると思って仮の意味で契約した、契約後に減額してほしいと言われた、など契約時にも様々なトラブルがあります。特に一括査定の場合は他社との競争になる分、とにかく契約をさせようとする買取会社との間でトラブルになりやすいです。
通常、契約は大事な約束なのでキャンセルする事は出来ません。しかし誤認があった場合や契約条件に変更があった場合(減額など)にはキャンセルが認められます。
ただ既にオークションへ出品済みの状態や別の方へ売買契約済みの場合など、何らかの経費や売上が発生している状態の場合にはキャンセル料が発生します。そのタイミングでキャンセルするためには、実損分の補填が必要となります。以前には強引に契約させた後、契約書条項をたてに高額なキャンセル料を請求するというトラブルがありましたが、現在は少なくなっているようです。
しかしキャンセルに伴うトラブルは減りません。契約後に減額を交渉してきて、キャンセルするならキャンセル料が必要といって減額を受け入れさせるように交渉してくる会社があるようです。契約書にキャンセル料の条項があっても、平均的損害を考慮しない一律のキャンセル料設定は不当条項にあたるという判断がなされていますので、もし請求してきも不当なものとして断ることが出来ます。ただトラブルになった場合は必ず消費者相談センターなどに連絡をいれた方が良いです。
営業のしつこさ
特に一括査定を申し込んだ際に多いのが、ひっきりなしに営業電話がかかってきたり、何度も電話がかかってきたりするという不満が聞かれます。一括査定は便利ですが、反面複数の会社同士で競争となるので、どうしても営業が加熱してしまうようです。
一括査定によって買取金額がアップする可能性は高くなりますが、複数の会社に依頼しますので、最低限の応対は仕方ないといえます。特に一斉にかかってくる場合が多いので、辟易としてしまい迷惑と思う方が多いと思います。買取会社にしてみれば、何処よりも早く接触出来れば決めてもらえる可能性が高くなるので、申し込んだタイミングですぐに電話をかけてきます。しかし見込みがなければすぐに撤退します。
一括査定を申し込んだ後の電話というのは、基本的に出張査定の確認を取るために連絡しています。実際に車を見て査定して、その場で契約という流れが買取会社にとっては理想的です。更に理想的なのはメールや電話のみで契約を決められる場合です。この場合の理想的というのは買取会社にとっての理想的という意味で、つまり最も安く買い叩ける状況という事です。
反対に面倒なお客さんは、会社同士で競争させて粘り強く価格を絞り出そうとする方です。一括査定によって競争させる弊害として電話応対の手間が生じてしまいますが、何の対策もせず買取会社に持ち込んで売却するよりも確実に買取価格をアップさせる事が出来ます。
電話をずっと無視しても応対するまではしつこく連絡してきます。そのため、いくつかの会社に絞ったら、それ以外の会社は断ってしまうのもひとつの方法です。10社とやり取りを続けるのはとても大変ですが、3社くらいであればそれほど苦にならずに出来ると思います。どうしても応対が面倒になってしまったら、着信拒否という手段があります。スマホでもアプリで着信拒否出来ます。
営業トークで丸め込まれないか不安
今までに何百、何千人と相手しているプロの営業に対して、売却は初めてという方がほとんどなので、赤子の手をひねるように営業トークで丸め込まれてしまうんじゃないかと不安になりますね。実際に口車というか相手の言葉をそのまま信用してしまうと、むしろ通常の買取や下取りよりも不利な条件で契約してしまうケースもあるようです。
どれだけ警戒してても、警戒心をほぐして契約に持込む営業力のある人がいますので、正攻法で挑むのはとても分が悪いです。とすれば、シンプルな対策で対抗する必要があります。
- 「契約の決断を後にする」
- 騙されるんじゃないかと不安になりながら、相手の話を聞いても、あまり耳に入って来ないと思います。身構える理由は契約の判断をすぐにしなければならないという先入観のためです。
契約を今決めない、というルールだけに従えば、相手が何を言おうとも気になりません。「今決めてもらえば50%上乗せします」「買取強化キャンペーンがちょうど今日で最終日なんです」などと勧誘してきますが、契約をすぐにしないと決めておけば無愛することが出来ます。
- 「自分だけでは決められない」
- 出張査定をした買取会社は、どうしてもその場で契約しようと迫ってきます。契約をしない限り、実際に対面する場が、その日以降無いためです。直接会って交渉するのが一番確実だと分かっていますから、見込みがある限り粘ります。
そういった時に使えるのが「自分では決められない」という言葉です。社会人であれば言い訳として使った事がある人も多いと思います。相手からしてみれば、たとえ嘘であっても確かめようがないので最強の逃げ口上だといえます。
査定内容の内訳は必ず確認する
車を査定してもらった時には、正式に書面で査定書を発行する場合は少なく、通常は口頭のみで査定額が伝えられるのみです。書面で発行してくれるところはそれだけしっかりしているという事と、内容に自信があるという事の裏付けになりますので、ある程度信用できると思います。
口頭のみで査定額を伝えられる場合、証拠が残りません。証拠が無いのを良いことに減額をしてくる会社やお伝えした時と価格が変わってるなどと言ってくる会社があるようです。このようなトラブルを未然に防ぐには書面でもらう必要があります。
書面といっても紙にプリントされたものに限らず、メールでも問題ありません。査定額の記載が最も大事ですが、査定の有効期限も記載してもらえば安心できます。メールですら拒否するような会社の場合は安く買い叩こうとしている可能性がありますので、注意した方が良いでしょう。
金額の交渉をしない
査定をしてもらう目的は1円でも高く買い取ってもらうためなので、当然査定の結果となる査定金額が気になります。しかし価格の交渉はしないほうが良いです。
買取会社の中には後で調整するつもりで、買取価格をかなり低めに出す場合があります。本来は80万円で買い取っても良いと考えてる車に対して、最初は72万円という提示をしたり、相手によっては65万円という提示をしたりします。この提示をした時に反応を観察します。「そんなものか」という表情をすればその金額でまとめにかかります。「低いなー」という顔をしたら、うちも厳しいですが頑張りますといって価格を上げます。
価格の交渉というのは、手持ちのカードがどれだけ揃ってるかで優位性が決まります。つまり適正な査定額の予想が出来る人ほど優位性があり、全て相手任せの人ほどカードが少ない状態です。中古車の買取においては、ほぼ間違いなく買取会社の方が知識と経験を持っていますので、優位性があります。
つまり提示された金額に対し適正な価格かの判断が出来ないので、どれくらいアップさせたら交渉に成功したといえるのかが不明なのです。先ほどの例で65万円と提示されて、交渉の結果72万円で契約した場合も、一見7万円アップを勝ち取ったように見えますが、適正な価格が80万円だったとすればまだ8万円の損なのです。買取会社は交渉に負けたフリをしているだけです。
適正な金額というのは、事前に調べることが出来ません。買取会社に勤める友人でもいれば別かもしれませんが、買取会社でなければ適切な金額を把握することは出来ません。
適正な金額の把握が難しければ、買取会社に出させるのが最もベターです。つまり一括査定による複数会社の競争で、相見積もりを取ることです。金額の交渉をしなければ相手の営業トークに惑わされる事もありませんし、その場で決断する必要もなくなります。価格だけ出してもらって比較すれば良いだけです。
参考→ 車査定時の交渉術1 – 希望価格を伝えない
参考→ 車査定時の交渉術2 – 価格交渉は最後にまとめて
車買取の代表的なトラブルに対する注意点としては以上となりますが、車買取会社の多くは様々な理由をつけて安く買い叩こうと狙っていますので、その点だけは常に忘れず行動する必要があります。
反対に上記にあげた事を中心に対応したり注意していれば高額査定の可能性が高くなりますし、安く売ってしまう可能性も低くなります。事前に知識を身につける事で賢い選択が出来ればいいですね。
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