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車の売却時に重大なトラブルとならないよう注意すべき点

車の売却にまつわるトラブル

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車を売却する方法はいくつかありますが、お金の絡む取引だけにトラブルとなってしまうケースがあります。日常生活でトラブルに巻き込まれる事は稀ですが、売買契約トラブルになる事良くあります。慣れない契約が発生するので、気をつけていてもトラブルになる事があり、車を売却する全ての人が慎重に行動しなければなりません。

車売却においてトラブルとなりやすい点は、ある程度パターン化されてますので、代表的なところさえ抑えておけば、トラブルになる確率を減らすことが出来ます。

トラブルになりやすい売却方法としては、

ディーラーへの下取り

の順になると思います。個人取引は取引相手に対する信用の根拠が無いので、一番トラブルが多くなります。

個人売買時のトラブル

一番トラブルになりやすい個人売買から見ていきます。個人間での売買で注意する点はたくさんありますが、一度も会わずに、現物を見ずに(写真のみ等)、相手を信用して金銭取引をするので、あらゆるトラブルが待ちかまえています。

不良品である可能性

国民生活センターが発表した内容によると、ネットオークションで購入した車が、納車後すぐに不具合を起こしたという内容です。ネットオークションはサイト内の限られた情報でしか判断するしかなく、中古物であるにも関わらず現物を確認できない事は、大きなリスクを伴うことを認識する必要があると説明しています。

納車後すぐに不具合が起きた、ネットオークションで落札の中古車
2015/4/6公表のトラブル事例

買取専門店や下取りなど店舗へ売却する場合、その車が売りに出される前にはしっかりと検査され、修理の必要があれば対応します。そのため、購入後すぐに不具合が発生する事はほとんどありません。しかし個人売買の場合には検査もなく保証もないので、内部に不具合を抱えていても分かりません

不良品への対策としては、事前に契約書を作成し、納車後一定期間内に発生したトラブルの責任を持つ、というように記載するのも一つの方法ですが、原因が元使用者にあるのか現使用者にあるのかを明確にするのは難しいため、揉める原因になります。そのため不良品を購入してしまう可能性についてはリスクとして考える必要があります。

代金の受け渡し

振り込み詐欺とは少し違いますが、お金を振り込んだのに商品が届かない、反対に商品を送ったのにお金が振り込まれないというケースは存在します。車の場合には郵送で送って終わりというものではないので、対面で受け渡しが行われる分、トラブルになりづらいので、少しは安心できます。

それでも金銭授受は最も気を遣うべきところなので、念入りに対策するとすれば、保証金として全額の1/3くらいを事前に入金してもらい、当日に残りを受け取り車両引き渡しという流れの方が確実かもしれません。車両輸送取引をする場合には、この方法で安全に取引をすべきで、保証金確認後に車両輸送し、書類送付後に残額を受け取る流れにすれば安心です。

その他の個人間売買の注意点について、詳しく知りたい場合には以下記事をご参照ください。
参考→ 車を個人売買するメリットとデメリット
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中古車販売店への売却・下取り時のトラブル

買取専門店への売却も含みますが、査定をしてもらった後、販売店へ売却した後のトラブルが多く、キャンセル出来ない、キャンセル料が高額といったものや、減額を要求されたといったものが代表的です。
まずキャンセル出来ない、あるいは高額なキャンセル料を要求されるケースについて見ていきます。

出張査定を依頼し、今日売ってくれるなら○○万円という言葉に惹かれて売却契約を行うものの、家族に反対されるなどしてキャンセルの必要せざるを得なくなった。業者に連絡したらもう買い手がついたので解約できないと言われたり、あるいは高額なキャンセル料を要求されたといったケースです。

まずキャンセル料が正当なものかについて、中古車販売店の場合は買取後、車を店頭に並べるために修理や車検などを受けるので、もし対応していたら経費が発生しています。買取専門店などはオークションでの転売目的で車を買い取るため、既にオークションへ出品手続きを行っていたら取消料などがかかります。また売却相手を確保してから買取を行う場合もあるので、最短で即日転売契約が成立することもあります

通常は契約と車両引き渡しを同時に行いますが、契約だけ先に行う事もあります。契約が完了した時点で所有権が移転したと見なされますので、車両引き渡しが後だったとしても転売は正当な取引になります。

キャンセル料の発生は正当としても不当に高い請求はおかしい

売る側の都合によって既に経費などが発生している契約についてキャンセルした場合、キャンセル料が発生する正当性については解説の通りですが、そこで不当に高い請求をされるのは別問題です。正当性と金額は全く別の問題です。

車を売却するときに契約書を交わしますが、小さな文字で書かれた様々な条項の中には、キャンセルした場合の違約金について書かれていることがあります。もし契約後にキャンセルしたら10万円の違約金が発生しますとか書かれてることがあります。

国民生活センターに寄せられた苦情が多かったため、法的根拠を軸として、以下のように回答があります。

(前略)単に買い取り契約の書面を交わしただけの処理段階では、平均的損害は発生していないものと考えられる。したがって、消費者が解約を申し入れた場合には、事業者は上記の各段階の当該事業者としての平均的な損害を立証した場合に、賠償を受けることができ、これを超える賠償金は解約料、キャンセル料といった名目であっても、消費者からは受領することはできないものというべきである。

http://www.kokusen.go.jp/

要約すると、契約書に違約金の記載があっても、契約時点ですぐに損害が発生する訳なじゃないので、違約金を求めるなら平均的な損害を立証した上で請求しなさい、というものです。平均的損害とは、同じ業界内で発生する平均的な損害額ではなく、当該事業者が同種の契約を解除する場合に発生する平均的な損害額のことをいいます。判例と似ていて、過去に照らし合わせて正当な範囲で請求しなさいという事です。

そのため、契約書に記載があるからという理由だけで高額なキャンセル料を請求された際には平均的損害の立証を求めて和解という流れになりますし、もし揉めるようであれば国民生活センターにご相談ください。

中古車買取はクーリングオフ適用外

訪問販売において契約した後に、○○日以内であれば無条件に契約解除出来る制度をクーリングオフといいますが、訪問買取の場合にも一部適用されます。しかし自動車には適用されません。

参考→ 「出張査定を依頼すると契約するまで帰ってくれない?」記事内の
ただし、車の場合は改正特商法の適用外

クーリングオフは、充分に検討せずに判断した結果の不利益から消費者を守るために存在します。訪問買取の場合は消費者ではなく販売者の立場となりますが、買取側の方が知識があり契約の主導権を握れるため、貴金属とバイクなどについては対象となっています。

クルマがなぜ対象外なのかは不明です。車の契約には即時性がないという説明が見受けられましたが、当サイト内で触れてきたように、買取側が即時性を煽るように契約を迫るのが現状なので、即時性がないというのは理由になっていないです。

法改正はいずれ行われるかもしれませんが、現状では車の売却契約はクーリングオフ対象外なので、軽はずみな契約を行わず、必ず履行するつもりで契約する必要があります。

契約後に減額された

車の売却時に多いトラブルが、契約後の減額要求です。査定時には見つからなかった修復跡が見つかったので減額したい、など何らかの理由をつけて減額を要求してくるものです。

実際に査定時に完璧な確認をするのは困難なので、後から詳しく確認した結果、問題のある箇所が発覚する可能性はあります。しかし買取額の提示も修復等の指摘も専門である買取会社側になるので、不正をしようと思えば出来てしまいますし、その場合、消費者である方の買取会社の方が立場が強くなり、取引として不公平になります。

もし減額要求をしてきたら、まずはその指摘が正当かを確認する必要があります。出来ればこの段階で行政書士か国民生活センターに相談をした方が良いですし、会話等の記録も残したほうが良いです。

減額要求してくる主な理由としては、修復歴が見つかった、あるいはメーター改ざんが見つかったというものです。新車からずっと乗り続けてれば事故歴も把握していますし、メーター改ざんも自分で行わなければ発生しません。中古車で買ってきた場合には可能性が出てしまいますが、事実確認をきちんとして、もし本当に事故歴がある場合には、キャンセルも仕方ありません。このような場合には瑕疵担保責任が発生します。

事故歴があるのに隠して査定を受けて、その後発覚した場合には悪質とみなされて損害賠償を請求される事もあります。知らなかった事については仕方ありませんが、査定の場所において「知っていて黙っている」のは嘘をつくことと同義になりますので、ご注意ください。

ディーラー下取り時のトラブル

メーカーの名前を使って販売しているのだから、安心と思っていたらトラブルに会う事があります。ディーラーはあくまでも販売代理店なので、地域、あるい担当者によっては悪質な場合があります。そのため、ディーラーでのトラブルは、悪質なディーラーを避けられれれば問題ありません

悪質なディーラーの見分け方

どんなサービス業でもそうですが、挨拶のしっかりしていないディーラーは良くない可能性があります。覇気のない担当者に当たった場合は、そのお店の教育が行き届いていないことを示しています。

近所にあるディーラーなら、地域の口コミ情報が役立ちますが、少し離れた場所や口コミの分からない店舗でも、繁盛しているお店は基本的に優良店です。通りすがりに何度見かけてもお客さんの入っていないディーラーは地雷の可能性があります

接客してすぐに「お仕事は何をしていますか?」「予算はどれくらいですか?」と聞いてくるお店は要注意です。マニュアル通りともいえますが、お客の懐事情を最初に探ってくるのは良い気がしませんよね。最初に要望を黙って聞いてくれる方は良い営業の場合が多いです。

注意していても良いディーラーを見分けることは難しいかもしれません。そのため、下取りを依頼する場合でも複数店舗を回って比較することをおすすめします。幸運にも最初の店舗が優良店という事もありますが、複数店舗を比較することで良し悪しが見えてきます。

あくまでも上記にあげた内容は代表的なトラブルとなり、売却時の各要素ごとにトラブルとなる要素は潜んでいて、慎重に対応しなければ巻き込まれてしまう事があります。トラブルはどちらが悪い、と明確に言い切れることの方が少なく、お互いが自分の利益を守ろうとするために起こるため、こじれる事も少なくありません。トラブルになりそうと感じたら、なるべく感情的にならず、第三者を介入させて冷静な判断をする事が、時間も無駄にならず最良の解決方法となります。特に契約ごとは慎重を期して対応されることをおすすめします。

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