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流行という言葉を聞くと、ファッションを思い浮かべる方が多いかと思います。服の形の流行もありますが、「今年は白がトレンド」のように具体的な色を指して流行色と言ってるのを聞いたことはないでしょうか?
ファッションの流行色は決められている
この流行色というのは、実はPANTONEというアメリカの会社が毎年発表している色の事です。世界中の業界関係者(服飾・美容)から抽象的なアンケートを取り、時代の空気感を表現する色として発表し、それをまた業界が取り入れる事で実際に流行となっていきます。一種のマーケティングといえます。
自動車業界でも流行色というのはありますが、自動車の場合は着替えたりすることが頻繁に出来ないので、保守的な色、落ち着いた色が好まれます。そのため、毎年のように変わるカラフルな流行色という意味ではなく、保守的な中でもわずかに変化する、スーツでいえばクラシックに似た形の変化になります。
1980年代には白い車が大流行
たとえば同じ白色でも、色の違いやパールなど重ね塗装の違いもあります。1981年にトヨタが発表したソアラのスーパーホワイトが火付け役となり、ハイソカーブームとともに白色が圧倒的人気となりました。従来の白色は黄みがかっていたため、完全に白色とはいえませんでしたが、スーパーホワイトでは完全な白色を実現したため、人気となりました。1980年代中盤には市場の9割近くが白色だったようです。
その後、1990年代にはシルバーが流行し、市場の40〜45%を占めるほどになりました。その後は揺り返しで白が人気になったりしてますが、基本的に無彩色と呼ばれる保守的な色が好まれます。無彩色とは、車の場合なら白、黒、シルバー(パール)などです。
高級車は無彩色の人気が強いが、変化の兆しも
最近になって色の偏りは少なくなってきましたが、高級車は未だに無彩色の人気が高く、特に黒か白色でなければ値段が全然違う事もあります。そういった流れに変化を起こそうとしたのか分かりませんが、トヨタは2013年にピンク色のクラウンを1ヶ月限定で発売し、話題になりました。
その流れを汲んで、という訳でも無いと思いますが、ヴィヴィッドな明るい色をメインカラーとしてアピールする車が増えてきたように思います。2015年のRJC日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたスズキのハスラーも、ピンクやオレンジなど明るい色の方が売れてますし、コンセプトに合致した色であれば、定番の無彩色以外の方が売れるという事の証明になるのかもしれません。反対に今までの車は万人受けを目指すが故に色の付きづらい設定、特徴だったのかもと思います。
車種毎に人気色が違うので、不人気色には注意
車種によって人気となる色が違いますので、もしその車種で不人気な色の車を売ろうとする場合は、少し査定が厳しくなることを覚悟した方が良いかもしれません。それほど色によって売れ行きが異なります。反対に人気色を保有していれば、状態の差の順で売れていきますので、買取でも高額で売りやすい車になります。
無彩色が定番の人気色でしたが、車種によっては違う色が定番という事もあります。例えばフェラーリやアルファロメオ、マツダのロードスターは圧倒的に赤色が人気です。スバル・インプレッサWRXは青色が定番です。ランボルギーニ・ガヤルドやスイフトなどは黄色のイメージがありますが、タクシーのイメージも黄色ですね。ジャガーは濃い緑が定番色ですが、蛍光寄りの緑だとすぐにカエルカラーと言われてしまう色ですね。
無彩色は無難な色なので、だいたいどの車種でも設定がありますし、不人気色になりづらいので、無彩色の車を保有していれば大幅なマイナスとなる事は少ないです。高級車だと無彩色は査定アップ、上記にあげたような特定の車種では、人気色以外は少し落ちるかもしれません。
また純正色以外に塗り替えた場合(オールペン)や、外版のみを塗り替えた場合などは、大幅なマイナス査定となります。
参考→ 外装(塗装や状態)の減点
保管状態による色落ちはマイナス査定の対象
車の色の場合は、単純に色の違いだけではありません。長期間屋外に置かれ風雨に晒される訳なので、簡単に色落ちしたり塗装が禿げてしまっては困ります。そのため、何層かにわけて塗装を重ねています。
最近の車であれば4層塗装が標準になってきましたが、高級車では更に層を追加した5〜7層塗装を行います。メンテナンスも当然必要ですが、何層も重ねて丁寧に塗装された車は、新車時のような輝きを維持しやすいので、買取も有利になります。やはり見た目の良さは大切で、売れ行きも異なりますので、人気色である事と、塗装状態の良さというのは大事なポイントといえます。
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