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慣らし運転とは、新しい部品を馴染ませるために行う運転のことで、一般的には回転数を抑えて走ったり、急のつく運転(急加速など)をしない事などが推奨されています。昔の車では必要だったけど、現在の車では不要とする人や、今でもやった方が良いという人もいて、人によって意見の異なる事だったりします。個人的にはやった方が良いと思います。
車は数多くの部品で構成されている
新車は全ての部品が新品ですが、途方もないほど多くの部品数が使われています。車種によりますが、一般的な乗用車で2〜3万個の部品が使われていると言われています。そういった部品の中には金属だけではなく、ゴムのような柔らかい部品も含まれています。柔らかい部品も使われていくうちに柔らかくなっていく部品があります。新車で乗ってから2〜3ヶ月すると、乗り心地が柔らかくなった気がする、という経験のある方は多いと思いますが、これはサスペンションが馴染んで柔らかくなったためです。ダンパーと呼ばれる箇所はバネ状になっているのですが、ここが使われると一定の硬さまで柔らかくなります。
サスペンションのような部品だけではなく、内部の部品もオイルが馴染んだ状態を想定して作られている事がほとんどなので、オイルが馴染むまでは100%の性能が発揮できません。
決して中途半端な状態で納品されている訳ではなく、馴染むまで時間を必要とする部品や箇所があるという意味です。体力や筋力が備わっていても、100%の能力を発揮するにはウォーミングアップが必要なのと同じ事です。
もしそういった状態で急激な運動や限界を試すような運動をしたらどうなるでしょうか? 人間だと肉離れなどを起こしますが、機械はもう少し頑丈です。ただ何らかの悪い影響は発生しますし、特に長期で見た時の劣化や摩耗に影響するといわれています。
具体的な慣らし運転の方法
それでは具体的に新車の慣らし運転はどういった事を心がければ良いかというと、難しい事はそれほどありません。まずは急のつく運転をしない事は大切です。それ以外に、以下のような点を注意できれば理想的です。
回転数を低めに抑える
回転数を低めに抑えるというのは、マニュアル(MT)であればコントロール出来ますが、オートマ(AT)やCVTではギア選択がお任せになります。ATやCVTの場合は急加速しない、ゆっくりとアクセルを踏んで、踏む力を一定に保つだけで大丈夫です。
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急のつく運転をしない
急のつく運転をしないというのは、慣らし運転に限らず大事な事で、急のつく運転をしないだけで車が長持ちしますし、同乗者からも信頼される運転になります。また燃費も良くなりますので、是非とも心がけてほしいところです。安全運転を自称している方でもアクセルの踏み方が雑な人は多いです。停止時から加速していく時にはゆっくり踏んで最初の加速ショックを無くすようにします。踏む力を一定にして、他の車と同じくらいの流れの速度になったら、速度を合わせるように踏む力を調節します。
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最高速度を抑える
最高速度を抑えるというのは、先ほどと関連した内容になります。最高速度を上げればどうしても回転数が上がってしまいますので、慣らし運転の期間中は、平均的な速度である60km/hを目安に制限して走ります。よく高速道路で慣らし運転の距離をこなす、と書いてありますが、合流時に急加速が必要になったりしますので、あまりおすすめできません。また新車の慣らし運転はエンジンだけではなく、タイヤなども一緒に慣らしますので、その意味でもおすすめ出来ません。タイヤはゴムで出来ていますので、走っていくうちに一定の柔らかさに達します。最初は硬いです。動きの幅に応じて柔らかくなります。この時に大きな負荷を加えると必要以上に伸びてしまいますので、高速走行をしないほうが良いのです。
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でこぼこ道など荒い道路を走らない
でこぼこ道などを避けるというのは、タイヤも関係ありますが、サスペンションの影響が大きいです。でこぼこ道では、道路の状態が均一ではないので、いきなり大きく揺れる事があります。その揺れはサスペンションが吸収しますが、揺れが大きいとサスペンションの限界まで動いてしまいますので、慣らし運転の期間中はなるべくでこぼこ道を走らないほうが良いです。もし走る場合にはゆっくり慎重に走ったほうが良いです。
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人の方でも慣れる必要がある
慣らし運転は昔は必須でしたが、機械技術の向上などで必ずしもやる必要はない、というふうに変わってきました。やった方が良いかもしれないけど、やらなくても多分大丈夫、というのが今の慣らし運転に対する総合的な意見じゃないかと思います。
それでもやった方が良いと主張するのは、人間が慣れるのにも時間がかかるためです。乗り換えの車でも以前の車と違う点は多々ありますし、初めての車であればなおさらです。
参考→ 新車の納車を受けたらやること、やった方が良いこと
機械のいろんな箇所が馴染んでいき、余計な摩耗などが無くなり、歯車がしっかりと噛み合い、最高の性能を発揮できるようになったタイミングで、運転者の方も車に対する理解が進んで、車の魅力を充分に活かすような運転が出来れば理想的だと思います。
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