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Credit by Cedric Ramirez
長年車に乗り続けてると、色んなところに「ガタ」が出てきますが、特に壊れると困るのがエンジンです。一番大事な部品だけあって簡単には壊れませんが、メンテナンスが必要です。トラブルとなった場合は異音がしてきますので、どういった異音かによってトラブル内容を推測する事ができます。
エンジンからの異音といっても、症状によって異なります。もしエンジンから異音がしたら、参考にしてみてください。
- 「ガラガラ」金属音が鳴る
- 「キュルキュル」こすれてるような異音
- 「キンキン」「カンカン」「カリカリ」という金属音
- アクセルを踏んだときに「ゴロゴロ」という重い音
- 「バスンバスン」という爆発音
- 「カチャカチャ」「カチカチ」という異音がする
目次
異音別に推測される症状
「ガラガラ」金属音が鳴る
エンジンルームから「ガラガラ」と金属音が聞こえてきたら、ウォーターポンプががたついている可能性があります。
ウォーターポンプとは、ラジエーターで冷やした冷却水を循環させてエンジンを冷やすためのポンプです。エンジンが冷えないとオーバーヒートとなり、エンジンが焼き付いてしまいますので、とても重要な部品です。
そのため、エンジンから「ガラガラ」と異音がしたら、即座にエンジンを切った方が良いです。すぐにJAFか近くの整備工場に来てもらって確認してもらうことをおすすめします。
ウォーターポンプの交換は、15,000~30,000円程度となりますが、損傷具合によっては上下する場合があります。
オイル交換の頻度によって起こる場合があるという記述も見かけますが、ウォーターポンプの場合は、無交換で数万km走ったような場合を除いて、エンジンオイルが原因となる可能性は低いです。オイル漏れで足りなくて焼き付きが起きる事はありますが、それもレアケースですね。
オイルに関連した異音は「カチャカチャ」となるもので、これは後述しています。
エンジン始動時に「ガラガラ」と音がする場合は、タペット音かチューンテンショナーの不具合である可能性がありますが、一度見てもらった方がよいです。
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「キュルキュル」こすれてるような異音
エンジン付近から「キュルキュル」という音がしたら、ゴムベルトが原因で、たいていは「ファンベルト」箇所が原因です。
ファンベルトは、もともとエンジンを冷やすラジエーターのファンを回すために動いているベルトでしたが、現在は電動ファンになっていますので、エアコン、オルタネーター、ウォーターポンプなどそのほかの機構を駆動させるのが主な役割になっています。
このベルトが切れると、エンジンへの電気供給が止まってしまいますので、走行できなくなります。異音がしたらすぐに整備した方が良いです。
ファンベルトの交換費用は、作業料込みでだいたい1万円程度です。大型車だと部品代が若干高くなります。
ファンベルトは5万kmか5年で交換が推奨されていますが、異音がするか、ゴムの亀裂などを発見したタイミングで交換でも大丈夫です。もし上記期間内で異音がする場合は、調整のみで改善される事があります。調整費用は普通車で約4,000円です。
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「キンキン」「カンカン」「カリカリ」という金属音
走行中に「キンキン」「カンカン」と鳴っている場合は、オーバーヒートの末期症状です。同時に加速が鈍る、水温計が上昇、油圧警告ランプが点灯するなどの症状が発生します。
もし上記のような状態になったら、冷却液不足によるオーバーヒートの状態なので、すぐに安全な場所へ停車しJAFなどのロードサービスを利用して整備工場へ持って行った方がよいです。
「カリカリ」という音が聞こえてきたら、オーバーヒートの初期症状なので、同様に整備が必要です。
オーバーヒートした場合の修理費用については、原因や損傷箇所によって様々ですが、代表的な修理費用を掲載しておきます。
- 冷却水(ラジエーター液)交換の場合
- 数千円程度
- サーモスタットの交換
- 7千円~1万円程度
- ラジエーター交換の場合
- 2万~5万円程度
- シリンダーヘッドガスケット交換の場合
- 5万円~15万円
- エンジン載せ替え
- 20万円~
サーモスタットとは冷却水の温度を管理する装置です。エンジンが熱くなりすぎないように、冷却水の通過を管理しています。
ラジエーターはエンジンの周囲を循環させている冷却水を冷やすための装置です。エンジンの熱を冷却水によって放出しますが、冷却水が熱を抱えると、エンジンを冷ます効率性が悪くなります。ラジエーターによって冷却水を冷やす事で、効率的にエンジンを冷ます事が出来ます。
シリンダーヘッドガスケットは、エンジン内部のシリンダーヘッドとシリンダーブロックの間に挟まっている部品で、気密性を確保するための部品です。
シリンダーヘッドガスケットがあることによって、混合気の圧縮やオイル漏れを防いでいますが、エンジンブロックが高温になりすぎる事でひび割れたり溶けてたりして、最終的に破損します。
初期段階では、エンジンのパワーダウンやマフラーから白煙が出るなどの症状が発生しますが、破損してしまうとエンジンがオーバーヒート、焼き付きを起こします。
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アクセルを踏んだときに「ゴロゴロ」という重い音
急加速をした場合に起こることが多いですが、アクセルペダルを踏んだときに「ゴロゴロ」という音がしたら、すぐさま停止してください。
エンジン内部のエンジンオイルが不足する事で潤滑不良が起き、クランクシャフトやコンロッドなどの金属部分が摩擦熱で溶けだしている状態です。異音の他、油圧警告ランプが点滅します。
交換費用はエンジン内部に損傷が無ければオイル交換のみですが、エンジン内部に損傷があると10万円以上になるなど高額な修理となってしまいます。エンジンオイルの漏れは気づきにくいので、定期的にオイルゲージの確認を行った方がよいです。
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「バスンバスン」という爆発音
エンジン内部から爆発音がする場合は、スパークプラグが点火せず、正常に作動していないシリンダーがあります。もし爆発音がしたら、直ちに整備工場で見てもらった方が良いです。
スパークプラグの交換だけであれば、工賃込みで5000円程度が相場です。もしエンジンルーム内に損傷がある場合は高額になるかもしれません。
「カチャカチャ」「カチカチ」という異音がする
エンジンがピストン運動によって爆発を起こし、動力を作っていますが、この爆発に必要な圧縮した空気の開閉をしているのがカム機構です。経年劣化が起こると隙間が大きくなり、その影響で異音が発生します。
カム山の磨耗によって異音が発生した場合は、カムシャフトの交換となります。カムシャフトの交換費用は2万~6万円程度となりますが、他箇所にも損傷がある場合も多いので、もう少しかかるかもしれません。
磨耗がそこまで激しくなければ、オイル交換によって改善します。そもそもカム山の磨耗はオイル量の不足や粘度不足、オイル劣化による影響によって起こります。適切にオイル交換を行っていれば、カム関連のトラブルは防げますので、定期的にオイル交換を行うことはとても大切です。
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定期的な点検や整備が大事
最近の車は燃費改善のために粘度の柔らかいオイルを使う場合が多いようなのですが、柔らかいオイルの場合、劣化し始めると、より粘度が下がりますので、金属部同士の磨耗を防ぐ目的が果たせなくなります。
もしオイル交換の頻度を減らしたければ、質の良いオイルでなおかつ少し粘度が硬いオイルを入れた方が良いです。
エンジンから異音がする場合は、大きなトラブルの場合が大半なので、すぐさま停止することが大切です。迅速に停止した結果、致命傷にならず、修理費用を抑える事が出来るかもしれません。
またオイル交換を定期的に行うことで整備工場へ定期的に車を持ち込む事になりますので、異常の早期発見もしやすくなります。車は劣化していく機械なので、定期的な検査や確認をする事で、重大な損傷を未然に防ぐ対策を行うことが大事です。
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