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修復歴ありと診断される具体的な判断基準が知りたい

車の査定にまつわる知識

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車に乗っていると、楽しいことばかりではなく、残念なことも起こります。そのうちの一つが事故です。ひとくちに事故といっても、損傷の度合い・程度によって扱いが異なります。軽くこすった程度の事故もあれば、車が変形してしまうほどの事故など様々です。中古車として売却する場合に「事故車」あるいは「修復歴車」と診断される場合は、どのような判断基準になるのでしょうか。

JAAI(日本自動車査定協会)が提供しているハンドブックには、明確に事故車(修復歴)の定義がなされています。そしてクラスや修復歴の箇所・程度に応じて減点を計算し、査定額に組み込みます。事故車として認定する場合、大幅な減額がなされます。事故車の認定基準が自動車の骨格であるフレームに損傷をうけたものであるため、走行状態で影響を受ける可能性があるためです。そのため、きちんと直進しない、急ブレーキを踏んだときに挙動がおかしくなるなど、走行に支障が発生するため、事故車の場合は査定額が大幅に減額されます。

修復歴ありと診断される具体的な内容について紹介していきます。

※表内のランクは、Cが最高で①が最低ランクとなります。ランクが上になるほど減点度合いが高くなります。
※特C~軽と表記がある箇所については、クラス区分となります。別ページにてクラス区分をまとめていますので、ご参照ください。
※表示は国産・輸入乗用車のみとなります。トラックは異なりますので、ご注意ください。

減点の算出方法は以下の通りとなります。

√(基本価格 × 修理概算額) ÷ 4.8 × 係数 = 減点点数
(小数点以下第一位四捨五入)

基本価格とは、車両取得価格のことです。
たとえば車両価格180万円でトヨタのアクアを購入したとします。査定における点数の数え方は、単位が千円になりますので、基本価格は1,800点です。

事故を起こした時に、修理明細があればそれを適用しますが、なければ「みなし修理費」を適用します。みなし修理費は、以下の表に記載されていますが、トヨタアクアでピラー交換をする事故を起こした場合は、ランクBのクラスⅣ(4)が適用されますので、修理概算額が650点、係数が1.3になります。

計算式にあてはめると、
√(1,800 × 650) ÷ 4.8 × 1.3となり、
√(1,170,000) = 1,081.66 ÷ 4.8 × 1.3 = 293点
となりますので、29万3千円の減額になります。

極端ですが、フェラーリの599で同じ事故を起こした場合は、基本価格を2,000万円として、輸入車のランクBのクラス特が適用されますので、
√(20,000 × 5,600) = 10,583.00 ÷ 4.8 × 1.3 = 2,866点
となりますので、286万6千円の減額になります。みなし修理費なので、実費の方が高そうですが、査定上はこの金額になります。

※画像及び査定データは全てJAAI公式サイト上にて公開されている情報をもとに構成しています。

クロスメンバー(フロント・リヤ)

crossmember

修復歴ありとするもの
(1)交換されているもの
(2)曲がり、凹み又はその修理跡があるもの
修復歴としないもの
(1)小さな凹み又はその修理跡があるもの
(2)突き上げによる凹み、傷又はその修理跡があるもの

クロスメンバーの減点表
クロスメンバーの減点表(輸入車)

クロスメンバーとは横方向に対する強度・剛性を高めるために用いられる補強箇所で、フロントとリアで左右を繋ぐように設置することで、剛性を確保しています。損傷の多いのはフロントクロスメンバーの方で、多くの車でフロントバンパーの下側、内側に設置されていますが、車高を下げた車だと乗り上げ時に「突き上げ」で損傷をしたり、あるいは前面からの接触で損傷を受けることがあります。
後ろから前の車に突っ込んだ場合など、まず最初に損傷を受けるのがこのフロントクロスメンバーの箇所なので、中古車販売店でも修復歴ありの車の場合は、フロントクロスメンバーを修復している車が多いようです。
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サイドメンバー(フロント・リヤ)

sidemember

修復歴ありとするもの
(1)交換されているもの
(2)曲がり、凹み又はその修理跡があるもの
修復歴としないもの
(1)コアサポートより前に位置する部分及びリヤエンドパネルより後に位置する部分の損傷又はその修理跡があるもの ※画像参照
(2)けん引フック取付け部の損傷又はその修理跡があるもの
(3)バンパーステー取付け部の軽微な凹み又はその修理跡があるもの
(4)突き上げによる凹み、傷又はその修理跡があるもの

sidemember-note
リヤサイドメンバーの減点表
リヤサイドメンバーの減点表(輸入車)
フロントサイドメンバー・リヤサイドメンバー(交換)の減点表
フロントサイドメンバー・リヤサイドメンバー(交換)の減点表(輸入車)

車体の左右にとりつけられる骨格構造で、サイドフレームともいいます。フロントの方が大事で、剛性や耐久性を確保し、衝突時にはフロントクロスメンバーから伝えられた衝突エネルギーを吸収しながら分散し、客室を保護します。またサスペンションからの荷重を受け止め、振動・騒音・乗り心地に影響する箇所でもあります。
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インサイドパネル(フロント)、ダッシュパネル

inside-panel

修復歴ありとするもの
(1)交換されているもの
(2)外部又は外板を介して波及した凹み又はその修理跡があるもの
修復歴としないもの
(1)コアサポートより前に位置する部分の損傷又はその修理跡があるもの
(2)軽微な凹み又はその修理跡があるもの

インサイドパネルの減点表
インサイドパネルの減点表(輸入車)
ダッシュパネルの減点表
ダッシュパネルの減点表(輸入車)

インサイドパネルとはフェンダーの内側、エンジンルーム内の左右の内部骨格部分にあたる箇所で、フレームの上部になります。通常サスペンション取り付け部となるので、剛性が求められるのはもちろんですが、事故等でゆがんだ場合はきっちり修復してあるかもポイントになります。見た目はほとんど同じでも、丁寧に直すと修理費用が全く異なります。サスペンションに影響のある箇所なので、丁寧に直さないと走行に支障が出ます。
ダッシュパネルはエンジンルームと客室を隔てる壁となる場所で、計器類もここに取り付けます。事故でダッシュパネルにまで影響の及ぶことは稀ですが、もし修復歴ありの場合は非常に大きな事故である可能性が高いです。
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ピラー(フロント・センター・リヤ)

pillar

修復歴ありとするもの
(1)交換されているもの
(2)スポット打ち直しがあるもの
(3)外部又は外板を介して波及した凹み又はその修理跡があるもの
修復歴としないもの
(1)外部に露出している部位に凹み又はその修理跡があるもの
(2)ボディサイドシルパネルの単体部品の交換時に生じるピラー下部に溶接処理跡があるもの
(3)外部を介さない凹み又はその修理跡があるもの
(4)1BOX車等でルーフパネルからステップまで一体として露出しているパネル状センターピラー等のアウター部はピラーとしない
(5)軽微な凹み又はその修理跡があるもの

ピラーの減点表
ピラーの減点表(輸入車)
ピラー交換の減点表
ピラー交換の減点表(輸入車)

ピラーとは柱を意味する言葉で、自動車の場合は窓柱と訳されることが多いです。フロントから順にAピラー、Bピラー、Cピラーと呼ぶこともあり、Aピラーは視界に影響するため、知っている人も多いのではないかと思います。家の場合は柱によって居住が保たれますが、車の場合は屋根を支えるので、耐荷重に強いのではなく、衝突時に乗客を保護するために耐衝撃や剛性が求められます。
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ルーフ

roof

修復歴ありとするもの
(1)交換されているもの
(2)ルーフ周囲のインナー部に凹み、曲がり又はその修理跡があるもの
(3)ピラーから波及した凹み又はその修理跡があるもの
修復歴としないもの
(1)インナー部に軽微な凹み、曲がり又はその修理跡があるもの

ルーフパネル単体交換の減点表
ルーフパネル単体交換の減点表(輸入車)
ルーフ(ピラーから)の減点表
ルーフ(ピラーから)の減点表(輸入車)

車の屋根にあたる部分のことをいいます。骨格を構成する一要素ですが、通常はルーフまで損傷することはありません。ただピラーから伝わる衝撃によってゆがみが発生した場合や、ルーフ周囲の曲がりなど、事故の程度や事故の内容によっては損傷を受ける事もあります。
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センターフロアパネル、フロアサイドメンバー

floor-panel

修復歴ありとするもの
(1)交換されているもの
(2)パネル接合部に、はがれ又は修理跡があるもの
(3)破れ(亀裂)があるもの
(4)外部又は外板を介してパネルに凹み、メンバーに曲がり又はその修理跡があるもの
修復歴としないもの
(1)突き上げ等による凹み、曲がり又はその修理跡があるもの
(2)軽微な凹み、曲がり、破れ又はその修理跡があるもの

フロア、フロアサイドメンバーの減点表
フロア、フロアサイドメンバーの減点表(輸入車)

フロアパネルとは車体下部、床面部分のパネルをさします。多くの車は真ん中にフロアパネルがあるのでセンターフロアパネルと呼びます。直接衝撃が加わることは稀ですが、路面からの跳ね返りで小石によって傷つき錆が進んだり、海水など塩分を含む雪泥によって腐食したりすることがあり、亀裂などまで進んでしまうと修理が必要となります。
フロアサイドメンバーは、フロアパネルに左右にある補強材で、側面衝突の場合などには損傷しますが、前後衝突の場合はそれ以前の補強材が衝撃を吸収する場合が多く、サイドメンバーまで損傷にいたらないのが通常です。ただ乗客保護が最優先される最近のモノコック衝撃吸収の考え方から、フロアパネルを保護するためにサイドメンバーで衝撃を吸収するつくりになっている場合は、修復の必要なほど損傷する場合もあります。
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リヤフロア(トランクフロア)

rear-floor

修復歴ありとするもの
(1)交換されているもの
(2)パネル接合部に、はがれ又は修理跡があるもの
(3)破れ(亀裂)があるもの
(4)外部又は外板を介して波及した凹み又はその修理跡があるもの
修復歴としないもの
(1)リヤエンドパネル又はリヤフェンダ等の交換時に生じた損傷があるもの
(2)軽微な凹み、破れ又はその修理跡があるもの
(3)スペアタイヤ等格納部の突き上げによる凹み、軽微な破れ又はその修理跡があるもの

リヤフロア、トランクフロアの減点表
リヤフロア、トランクフロアの減点表(輸入車)

後部にトランクルームのある車がほとんどですが、このトランクルームの下側にある骨格がリヤフロアです。トランクフロアとも呼ばれます。スペアタイヤを収納するために空間を確保する形状になっていることがほとんどです。後ろから追突された場合などに損傷することが多いです。
リヤ部分なので走行に影響しない場合もありますが、後輪サスペンションやトランク内への水漏れ、タイヤの偏摩耗、異音などの影響が出る場合もあります。
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外板価値減点 ランク①
区分 連続するネジ止め外板(交換)
適用係数 0.6
みなし修理費 特C 330
特B 270
特A 230
Ⅰ(1) 210
Ⅱ(2) 180
Ⅲ(3) 150
Ⅳ(4) 120
100

減点項目表(輸入乗用車、3・5・7・8ナンバー)

外板価値減点 ランク①
区分 連続するネジ止め外板(交換)
適用係数 0.6
みなし修理費 1,050
Ⅰ(1) 540
Ⅱ(2) 450
Ⅲ(3) 360
Ⅳ(4) 260
Ⅴ(5) 200
Ⅵ(6) 150
外板価値減点 ランク②
区分 フロントパネル交換
ラジエータコアサポート交換(溶接)
ボディサイドシル交換
ステップ交換
サイドパネル交換
リヤフェンダ交換
リヤエンドパネル交換
適用係数 0.8
みなし修理費 1,540
Ⅰ(1) 790
Ⅱ(2) 660
Ⅲ(3) 530
Ⅳ(4) 370
Ⅴ(5) 290
Ⅵ(6) 220
修復歴減点 ランクA
区分 クロスメンバー
フロントフロア
インサイドパネル
ピラー
ルーフパネル単体交換
トランクフロア
リヤフロア
リヤサイドメンバ-
適用係数 1.0
みなし修理費 3,500
Ⅰ(1) 1,800
Ⅱ(2) 1,500
Ⅲ(3) 1,200
Ⅳ(4) 850
Ⅴ(5) 650
Ⅵ(6) 500
修復歴減点 ランクB
区分 フロントサイドメンバー
ピラー交換
ルーフ(ピラーから)
リヤサイドメンバー交換
適用係数 1.3
みなし修理費 5,600
Ⅰ(1) 2,900
Ⅱ(2) 2,400
Ⅲ(3) 1,900
Ⅳ(4) 1,350
Ⅴ(5) 1,050
Ⅵ(6) 800
修復歴減点 ランクC
区分 フレーム
フロア
フロアサイドメンバー
ダッシュパネル
適用係数 1.5
みなし修理費 9,100
Ⅰ(1) 4,700
Ⅱ(2) 3,900
Ⅲ(3) 3,100
Ⅳ(4) 2,200
Ⅴ(5) 1,700
Ⅵ(6) 1,300

「修復歴なしとするもの」の項目に当てはまる場合でも、軽微な損傷が複数あって、近接していたり連続していたりする場合は修復歴ありとなります。またみなし修理費とする場合は、既に修復済みであることが条件です。未修理車の場合は、見積り書から修理に関係ない費用を除いた額としてますが、特例としてみなし修理費とする事も出来ます。
また修理箇所は同一部で重複している場合は、重い方を適用し、同種の修理跡の場合は他に価値減点を取ってはいけません。ひとつの事故に対して修復した内容は、最低限しか減点してはならないという意味です。

修復歴ありと査定された場合、査定額の大幅減額は避けられませんが、安全性の求められる車を取引するので、修復歴がある場合は絶対に隠してはいけません。出張査定の時に見つからなかったとしても、後々詳しく調べますので、必ず発覚します。

反対に悪質な買取会社の場合は、安く買い取りたいために、修復歴の定義から外れた内容でも修復歴ありとすることがあるようです。こちらに記載した内容がガイドラインとなりますので、もし自分の車が修復歴ありになるのか、なしなのかが不明な場合は参考にしてみてください。

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